イージス・アショア新屋配備断念へ
陸上配備型イージスシステム(以下イージス・アショアと言う。)の、陸上自衛隊新屋演習場への配備断念の記事が、読売新聞オンラインに掲載された。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200506-OYT1T50033/
防衛省は、昨年5月に、新屋演習場にイージス・アショアを配備できるか否かを記した調査報告書を提出したが、その資料に誤りがあったことから地元からの反発が大きくなっていた。
これまでの経緯は、防衛省の白書にも載っている。(イージス・アショアの項目を参照)
https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2019/html/n31202000.html
記事にもある通り、新屋演習場が、住宅地や公共施設が近接するため、電磁波の健康影響や安全性への懸念があることを理由に、秋田県の佐竹敬久知事や自民党秋田県連も配備の見直しを求めていたことも今回の判断の一因だろう。何をもって防衛省が判断したのかはわからないが、文字通り理解が得られる見通しが立たなかったというところだろうか。
Twitterではイージス・アショアの配備に関して賛成の立場、中立の立場、反対の立場の人がそれぞれに主張をしており、
賛成派の立場の人は、「この判断が後に間違った判断とならなければ良いのだが…」といった反応が多い。
これはつまり、配備しなかったことにより、有事の際に防衛できなかったなんてことにはならないよう願っているわけだ。
しかし、記事にもある通り、防衛省幹部が「日本全域をカバーするためには、秋田県内が適している」と述べ、同県内を軸に再選定を進める考えを示している。
したがって、イージス・アショアの配備そのものについて断念したわけではないようである。(その意味ではTwitterの配備賛成派の意見は、現時点で杞憂だろう。)
また、在日米軍が仮に撤退したらどのように自国を守っていくのか、自国を守るためにはイージス・アショアは必要な装備品あるというような主張もあった。(これは曖昧な主張だが、日米同盟も永久のものではないと仮定して、自国で防衛力を増強しなければならないという考えの持ち主であると推測する。例えば、在日米軍が撤退すると、BMD対処機能付きイージス艦の援助が受けられなくなるところ、現状の脆弱な日本のBMD体制のみではできず、自国を守れないよ、という主張と勝手に解釈。実際は防衛省はイージス艦を8隻体制にすることで日本全域を守れるようにする、とこれまでは主張。)
あとは、SM-3の性能が良いのだから新屋に拘らんでもええやろという主張もあった。
中立の立場の人は、調査が杜撰だったから今回の判断は仕方ないことだという主張が多い。だから配備を取りやめるべきだとまではいっていないようである。かと言って賛成の立場というわけでもなさそうである。
反対の立場の人は、
・そもそもいらない(理由なし)。
・そもそもいらない(コロナ、医療費、その他社会保障費にお金を出せ)。
・そもそもいらない(周辺に脅威はないため、無用の長物である)。
・そもそもいらない(むしろ攻撃される)。
・地元の民意万歳。
・(上記に関連するが、)昨年7月の参院選の結果も影響しているという主張。
・トランプに買わされたんだ→そんなのに金使うな(→もっと他に金を使えという意味を暗示。上記2ポツと同旨)
・アメリカ(ハワイ)を守る盾なんだ→だからいらない
と言った主張である。
他方、そもそもイージス・アショアって何?というのが、
国民の大半だろう。
いずれにせよ、行方を見守りたい。